capixyl

キャピキシルという成分が育毛業界で注目されています。

なんでもミノキシジルの3倍の効果があるとか・・・。

そして天然由来の成分のため副作用がない

 

そんなすごい成分なら、ミノキシジルを今すぐやめてキャピキシルを使わないと!

 

しかし評判は、他の育毛剤同様、効く・効かないの真っ二つに分かれます。

 

毛の少ない私たちは、一体何を信じたらいいのでしょうか・・・?

キャピキシルとは?

キャピキシルはカナダのルーカスマイヤーコスメティクス社(LUCAS MEYER COSMETICS)という化粧品会社によって開発されました。

 

アカツメクサ花エキス(ビオカニンA、バイオカニンA)とアセチルテトラペプチド3という成分を組み合わせて作られた育毛成分です。

 

元々はまつ毛を伸ばすために開発されました。

まつ毛の成長まつ毛の成長2

アカツメクサ花エキスとは?

アカツメクサという花はムラサキツメクサとも呼ばれ、元々ヨーロッパで5000年前から牧草として生息していた花です。

日本にも明治初期に牧草として輸入され、現在は全国各地そこらへんの原っぱに生えている花です。

 

英語ではRed clover flower(レッドクローバーフラワー)と言い、よく公園や土手でみかける四葉のクローバー(シロツメクサ)の仲間です。

 

花の色は赤や紫色で、マメ科の植物です。マメ科の植物にはイソフラボンが含まれている物がほとんどです。

 

このアカツメクサから摂れるアカツメクサ花エキスはイソフラボンが大豆の10~20倍と豊富に含まれています。

 

アカツメクサ花エキスのイソフラボンはビオカニンA(バイオカニンA)という種類の成分で、大豆に含まれるイソフラボンよりも吸収率がよいと言われています。

 

元々ヨーロッパではアカツメクサはハーブとして、ぜんそくや咳止めを始め、女性の更年期障害、生理痛、月経前症候群(生理前のイライラ、精神不安、肌荒れなど)にも効果があるとして重宝されていました。

 

イソフラボンには女性ホルモンであるエストロゲンと似たエストロゲン様作用があるとされているため、「植物エストロゲン」とも呼ばれています。

 

そのためエストロゲンの減少やホルモンバランスの乱れによる女性特有の症状に対し、効果があると言われています。

 

また、美肌や髪など女性ホルモンが影響する美容効果も高いとされており、育毛にも効果があると言われています。

イソフラボンサプリメントを使ったDHT濃度の実験

2009年に健康な日本人男性(30~59歳)28人を使った実験が日本で行われました。

 

3か月間毎日60mgの大豆イソフラボンサプリを摂取してもらい、3か月後の男性ホルモンの血中濃度を比較するという実験でした。

 

実験結果として、全員のDHT濃度が平均約19%下がりました。また遊離テストステロンも減少しました。

 

元々ハゲに関与する実験ではなく前立腺がんに対する実験でしたが、DHT(ジヒドロテストステロン)濃度が減少したということは、ハゲへの効果も期待できます。

関連記事→ジヒドロテストステロンとは?

 

イソフラボンは5αリダクターゼを阻害し、DHTの生成を減少させます。

 

ただ残念なことに、実際に薄毛が改善されたかどうかは、この実験では分かっていません。

 

ハゲの仕組みはまだまだ複雑で解明しきれておらず、5aリダクターゼが阻害されDHT濃度が多少下がったからといって、必ず薄毛が改善されるとは限らないのです。

 

DHTを抑制するということは、働きはフィナステリドやデュタステリドに似ています。

 

ちなみにデュタステリドの実験では、2週間で80%以上のDHTの抑制が確認されており、やはりフィナステリドやデュタステリドには敵わないようです。

ハゲ治療はミノキシジルとフィナステリドしかない

アセチルテトラペプチド3とは?

アセチルテトラペプチド3(ACETYL TETRAPEPTIDE-3)とは、4つのアミノ酸と3つのペプチドを合成した成長因子です。

 

抗炎症剤として、破壊された細胞を修復する能力が高いと言われています。

 

実際の医療現場でも、やけどなどで破壊された皮膚の修復に使われています。

 

また、育毛に関しては、毛包周辺の細胞の構造を維持し、固定力を高めることから育毛に効果があると言われています。

ミノキシジルの3倍の効果があるというのはウソ

キャピキシルは「ミノキシジルの3倍の効果がある」という事で注目された成分です。

 

しかし、アメリカの厚生労働省的な役割を持つFDA(アメリカ食品医薬品局)や日本の厚生労働省では、その効果は認可されていません

 

日本皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインでも取り上げられていません。

 

それどころか世界中どこの国にも、キャピキシルの発毛効果は認められていないのです。

 

そもそもミノキシジルの3倍の効果の根拠となったのはいったい何なのでしょうか?

ミノキシジルの3倍の効果があった実験

キャピキシルを開発したルーカスマイヤーコスメティクス社は、アセチルテトラペプチド3とミノキシジルを比較した実験を行いました。

 

その実験では、培養された皮膚細胞において「Hair growth activity」の値が3倍になったという結果が出ました。

 

アセチルテトラペプチド3は、ミノキシジルよりも高い活性で毛髪の成長を刺激するということです。

キャピキシルの実験

ちなみにこれは髪の毛の成長(育毛)の話であり、ハゲ(AGA)の部分から発毛したという話ではありません。

 

この実験結果は賛否両論です。

 

人間の頭皮ではなく、培養された細胞での実験のため実際の効果はわからないという事。

発毛効果が3倍ではなく、髪の成長である育毛効果が3倍であるという事。

そもそもルーカスマイヤーコスメティクス社が単独で行った実験であり、医学的な見地からは信憑性が低い事。

 

これらの理由から、キャピキシタルがミノキシジルの3倍の効果があるというのは嘘だという意見も多いのです。

 

ただしキャピキシル配合の育毛剤を使って十分な効果を感じている人も多いです。

 

あくまで育毛効果が3倍あって、AGA(男性型脱毛症)に対する効果ではないということです。

人間の頭皮に塗布した実験

上記の実験ではあくまで培養した細胞による実験です。

 

しかし、実際の生身の人間において、本当に育毛効果があるのかという実験もルーカスマイヤーコスメティクス社が行っています。

 

4か月間に渡り平均46歳のAGAに悩む健康な被験者30名に実験を行いました。

 

15名ずつに分け、一方の群にはキャピキシルローション(5%)を、もう一方の群にはプラセボ薬(水80%、アルコール20%の偽物)を頭皮に塗布し続けるという実験です。

 

その結果、

プラセボ群は成長期の毛髪が2%減少したのに対し、キャピキシルは成長期の毛髪が13%増加した

キャピキシル実験②

プラセボ群は休止期の毛髪が23%増加したのに対し、キャピキシルは休止期の毛髪が29%減少した

キャピキシル実験

とされています。

 

しかしこの実験ではミノキシジルとの比較をせず、プラセボとの比較をしています

 

ここでミノキシジルと比較して優位性を示してくれていれば、もっと信憑性も高まったのでは・・・?

 

と思いますが、やはり発毛効果という意味ではミノキシジルに劣ってしまうため、ここではプラセボとの比較にしたのでしょう。

キャピキシルは化粧品

キャピキシル配合の商品は「育毛剤」ではなく、「化粧品」扱いで販売されています。

 

多くの育毛剤は、厚生労働省に育毛成分を含む「医薬部外品」としての認可を受け販売しています。

 

しかし、キャピキシルは、ミノキシジルの「医薬品」どころか、チャップアップを始めとする育毛剤の「医薬部外品」としての認可も受けていません。

 

という事は、チャップアップなどの育毛剤よりも効果が薄いのかというと、そうは言いきれないのも事実。

 

厚生労働省から「医薬部外品」として認可を受けるためには、育毛有効成分として認可されている成分が必要量だけ入っていなければなりません。

 

キャピキシルはまだ厚生労働省に「有効成分」として認可されていないため、フィンジアなどは化粧品扱いでの販売になっていると思われます。

 

なので、一概に「医薬部外品の方が効果がある」、「化粧品には効果がない」とは言い切れないのです。

 

だからといって、ミノキシジルやフィナステリド・デュタステリドのように、世界中で認められるほどの効果があるかといったら、それはあり得ません。

 

さまざまな育毛剤の会社が、ミノキシジルやフィナステリド・デュタステリドよりも効果があると思わせるデータを出しています。

 

しかし、それが本当なら世界中がAGA治療で利用するはずなのです。

 

キャピキシルを育毛有効成分として認可している国は現在まだないのが事実なのです

キャピキシルの副作用

キャピキシルは天然成分の「アカツメクサ花エキス」とアミノ酸の結合物である「アセチルテトラペプチド3」からできているため、薬のような副作用はないとされています。

 

これは多くの育毛剤と同じです。

 

ミノキシジルやフィナステリド・デュタステリドに比べ発毛効果が高いものは現在ありません。

 

ですが、ミノキシジルやフィナステリド・デュタステリドは医薬品であり、副作用を起こす人もわずかながらいるのも事実です。

 

また、発毛(毛のない所から生える)効果はなくても、育毛(髪の毛を太くする、成長期を延ばす、抜け毛を減らす)効果は期待できます。

 

ミノキシジルやフィナステリド・デュタステリドで副作用が起きて、これらを使用できない人や、完全に頭皮が見えてきてしまっているAGAではなく、薄くなり始めたのが気になる程度の人はキャピキシルを試してみてもいいかもしれません。

まとめ

実はキャピキシル配合の育毛剤を使った口コミは、良い意見も多いのが事実です。

 

発毛薬であるミノキシジルと比較して、3倍なんてデータを発表するから、誇大広告と捉えられみんなに叩かれてしまうのです。

 

しかし臨床データ自体はしっかりしていますので、育毛剤としての効果は多少あるのかと思います。

 

しかしやはり、進行してしまったAGAに対し、育毛剤はほとんど効果がありません

 

あくまでミノキシジルやフィナステリドの副作用が出てしまった方や、進行がそこまで進んでいない方のみ使用してみることをおススメします。

 

キャピキシルを使った育毛剤で、最も売れているのはフィンジアです。フィンジア