リデンシル(Redensyl)は新しい育毛成分
リデンシルという育毛成分が育毛業界で話題になっています。
リデンシルは、多くの育毛剤のように「男性ホルモンをハゲ因子のDHTに変換する5αリダクターゼを抑制する」という物ではなく、毛髪の元となる幹細胞に働きかけます。
発毛効果はミノキシジルに及ばないものの、数多くある育毛剤の中ではトップクラスで発毛効果が期待できます。
リデンシルとは?
リデンシルは2014年にスイスのインデュケム社によって開発された話題の育毛成分です。
リデンシルは2014年に、ヨーロッパで毎年開催される世界最大級の化粧品原材料、パーソナルケア原料の国際展示会「in-cosmetics(インコスメティック)」でシルバーアワードを受賞しました。
インコスメティクスは世界最大級の化粧品・パーソナルケア原料の展示会であり、日本からも視察ツアーが大手旅行代理店で組まれるなど、その評価はお墨付きです。
2011年にはミノキシジルの3倍効果があると話題になった育毛成分「キャピキシル」がブロンズアワードを受賞しています。
そのキャピキシルよりも上のシルバーを受賞したことで一気に話題になったのです。
リデンシルの構成成分
DHQG、EGCG2、グリシン、ピロ亜硫酸Na、塩化亜鉛という5つの成分から構成された、インデュケム社によって開発された成分です。
その中でもメインとなる2大成分がDHQG(ジヒドロケルセチングルコシド)とEGCG2です。
DHQGとは
DHQGはセイヨウアカマツ球果エキスを原料とした成分で、インデュケム社が開発し特許を取得しています。
DHQGには主に2つの働きがあると言われています。
1.バルジ領域の幹細胞を刺激
「加齢による薄毛脱毛の仕組みは、老化による「毛包幹細胞」の減少・消失により、細胞の複製ができなくなることである」
という研究結果が、2016年の2月に東京医科歯科大の教授らによって発表され、権威ある国際科学誌「サイエンス」に掲載されました。
つまり「毛包幹細胞は、髪の毛の産生に非常に大きくかかわっている細胞である」ということが分かったのです。
毛包幹細胞は「バルジ領域」と呼ばれる部分にあります。
つまりバルジ領域こそが、髪の発毛や育毛の司令塔であるというのが、最新の毛髪研究の見解なのです。
バルジ領域は髪の毛を産生する元であり、このバルジ領域を活性化させることが発毛や育毛につながるということで、育毛業界でも注目されています。
このバルジ領域にある幹細胞に働きかけるのがDHQGなのです。
バルジ領域の毛包幹細胞を刺激することで、毛母細胞が産生され、髪の毛が作られていくのです。
2.繊維芽細胞の代謝を活発化
「繊維芽細胞」とは皮膚の真皮層にある細胞で、エラスチンやコラーゲン、ヒアルロン酸を産生する細胞です。
真皮層のエラスチンやコラーゲンは肌の弾力やハリを作り出す成分で、繊維芽細胞はその元となる細胞のため、スキンケアの世界でも重要視されている細胞です。
繊維芽細胞は肌や頭皮の老化のカギを握っている細胞とも言えるのです。
その繊維芽細胞の代謝を活性化する事で、加齢による抜け毛を防いだり、血液から頭皮に運ばれてきた栄養素の吸収率を高めてくれます。
先ほどの東京医科歯科大の教授らの研究では、「毛包幹細胞」の減少・消滅の一因は、コラーゲンの減少であり、逆にコラーゲンの枯渇を抑制すると加齢変化も抑制できるという結果が出ています。
つまりコラーゲンの元である繊維芽細胞を活性化する事でコラーゲンが増え、加齢変化も抑制できるので薄毛脱毛を抑制できるというわけです。
DHQGはバルジ領域の幹細胞を刺激し、繊維芽細胞の代謝を活性させるという2つの働きで、今までの育毛剤にない新しい効果が期待できるのです。
DHQGはヘアサイクルを整える
髪の毛にはヘアサイクルがあり、成長期と呼ばれる時期(2~6年)に髪の毛は伸びて成長します。
その後退行期→休止期を経て脱毛期に髪は抜け落ちます。
そのヘアサイクルが乱れ、成長期が短くなり、休止期や脱毛期が長くなったりすると髪の毛が薄くなってきます。
DHQGは、幹細胞に働きかけることで、成長期を伸ばし、休止期・脱毛期を短縮します。
その結果、髪は元気に伸び、抜け毛が減り薄毛が改善されるのです。
EGCG2とは
EGCG2はチャ葉エキスからできたカテキンの一種で、正式名称を「没食子酸エピガロカテキングルコシド」と呼びます。
抗酸化作用、抗菌作用に優れていることから、頭皮の炎症の原因となるインターロイキン―8を抑制し、頭皮の育毛環境を整えてくれます。
その他のリデンシルの成分
グリシン・・・グリシンは別名グリココールとも呼ばれ、不眠症の対策でも使われるアミノ酸の一種です。アミノ酸はタンパク質を構成する成分ですが、動物性タンパク質であるコラーゲンやエラスチン、ゼラチンなどに多く含まれています。特にコラーゲンの3分の1はグリシンであると言われており、真皮層の代謝に大きく役立っています。
ピロ亜硫酸Na・・・主に酸化防止剤として使用される事が多く、製品の効能が時間が経っても落ちないようにしています。
塩化亜鉛・・・こちらのハゲに亜鉛は重要だが副作用で吐き気がするでも記載しましたが、亜鉛は髪の毛を産生する上で必要な成分です。髪の毛の元となるたんぱく質「ケラチン」の主要成分になります。また、髪の成長を手助けする役割もあります。
リデンシルの臨床実験データ
18歳~70歳の男性・女性26名の被験者に84日間の臨床試験をした試験結果があります。
26名の被験者の半数にリデンシル3%配合のトニックを、もう半数にプラセボ(偽物)のトニックを毎日1回、頭皮に塗布させました。
その結果リデンシル3%のトニックを塗布した群では、
成長期の毛髪の毛髪率が8.9%増加
休止期・脱毛器の脱毛率が16.5%減少
しました。
また全体の総合結果として、
髪の毛の量は平均で28.9%増加。
なんと平均10000本、最大で28300本もの新しい毛髪が生えました。
人間の髪の毛の平均本数が100000本と言われていますので、この増加は著しいと言えます。
これらの結果はプラセボ群の変化に有用性が見られなかったため、リデンシル3%の効果が立証されました。
またミノキシジルとの比較実験においても、育毛効果はミノキシジルの約2倍あったという実験データも出ています。
AGA患者4人の毛包細胞を採取し、それぞれを何も入れていない培養液、リデンシル1%の培養液、ミノキシジル1%の培養液の3つに分けて浸し、それぞれ7日後と10日後にどのくらい髪が伸びたかを計測した結果です。
その結果、毛包成長度がミノキシジルは118%だったのに対し、リデンシルは214%と約2倍の差がつきました。
しかしこの結果はキャピキシルの時と同様、生体における実験ではなく、培養細胞の実験のため、実際の人体で起こる結果であるかは不明です。
そのためキャピキシルと同様、賛否両論となっています。
副作用
リデンシルは天然由来の成分で出来ているため、副作用を発症する可能性は低く、現在のところ報告がされていません。
ミノキシジルやフィナステリドで副作用が発症した人にはお勧めです。
リデンシル配合の育毛剤ランキング
リデンシルという成分は高価なため、育毛剤の値段もやや高くなってしまうのですが、育毛剤の中では期待値の高い成分です。
そんなリデンシル配合の育毛剤で効果が期待できる商品を3つ挙げます。
1.REDEN(リデン)
リデンはリデンシル配合育毛剤の元祖です。
臨床データと同じ3%の濃度で、臨床データ同様の効果が見込めます。
2位のDeeper3Dはキャピキシルも配合されているため、成分的には一見劣るのですが、使用者の口コミなどでもリデンの方が評価がやや高いです。
育毛剤は成分の種類数で決めてしまいたくなりますが、その配合量や配合バランスなどで効果が実際に出るかどうかが重要です。
実際にごくわずかしか入っていない成分だって表示できるわけですから、良さそうな成分をたくさん詰め込み過ぎた育毛剤がいいわけではないのです。
リデンにはリデンシルが一本に3.6ml配合されています。
ちなみにDeeper3Dは60mlで5%のため配合量は3mlですので、濃度は薄くても1か月に使用する量はリデンの方が多いのです。
様々な男性雑誌でも取り上げられています。
定期購入は回数を重ねるごとに安くなり、4か月目以降は8900円(税抜)となります。
Deeper3Dより毎月3748円安いです。
年間にすると約45000円の差があります。
2.Deeper3D(ディーパー3D)
キャピキシルも配合されたリデンシル配合の育毛剤がDeper3Dです。
Deeper3Dはリデンシル5%の他に、インコスメティクスでブロンズアワードを受賞した「キャピキシル」も5%配合。
さらに成長因子GF(グロースファクター)を8種類配合しています。
キャピキシルもリデンシルも、それぞれの成分だけでメインになれる主役級の成分。
それが両方とも5%ずつの高濃度で配合されているので、大きな相乗効果(シナジー効果)が見込めます。
ただし金額も高く、定期購入でも1本13360円です。
使用者の口コミではリデンよりやや劣るものの、ほぼ同じくらいの評価を得ています。
ちなみに全育毛剤の中でもトップレベルです。
3.バイタルウェーブ
バイタルウェーブも リデンシルの他にキャピキシル5%を配合。
また、その他にもEGF(ヒト表皮グロースファクター)やFGF(ヒト真皮グロースファクター)、IGF(インスリン様グロースファクター)といったグロースファクター(成長因子)、IPS細胞(幹細胞)、馬プラセンタ、ガゴメ昆布フコダインエキスなどを配合。
ガゴメ昆布フコダインエキスはLPLP(ルプルプ)深層育毛剤のタカラバイオが開発したエキス。
発毛促進因子であるFGF-7の産生を促進させると言われています。
配合されている成分だけを見ると、横綱級の育毛剤であることは間違いありません。
しかし問題としては、肝心のリデンシルの濃度が表記されていないのです。
キャピキシルはしっかり5%配合と記載されていますが、その他の成分の配合量は一切記載がありません。
わずかでも入っていれば成分表記できるため、ここまですごい成分が盛り込まれていると言われると、ちょっと信じがたくなってしまいます。
また「ガゴメ昆布フコダインエキス配合」と記載されているにもかかわらず、「M-034配合」との記載もあります。
M-034はミツイシコンブエキス。
チャップアップ、ブブカ、イクオスにメインで配合されている成分です。
一方、ガゴメ昆布フコダインエキスはタカラバイオが開発したガゴメ昆布のエキス。
この2つは昆布の採れる場所も違う事から、違う成分であるはずなのですが、いったいどちらが配合されているのかは分かりません。
バイタルウェーブはどちらかというとキャピキシルメインの育毛剤です。
リデンシルやその他成分はおまけとして捉えましょう。
現在育毛業界で話題のリデンシル、キャピキシル、M-034を全て配合しているため、成分だけで見たらトップなのですが、何でも話題の物を詰め込んでいる感はあります。
実際の効果に関する使用者の口コミもリデンやDeeper3Dに劣っています。
金額は、定期購入で8200円からスタート。
継続するごとに徐々に安くなっていき7回目以降は7980円となります。
まとめ
リデンシルの効果は、様々な育毛成分がある中でもトップクラスで期待が見込める成分です。
しかし、こちらの記事ハゲ治療はミノキシジルとフィナステリドしかないでも書いている通り、ミノキシジルとフィナステリドを越える物はありません。
なので育毛剤は、ミノキシジルやフィナステリドの副作用を懸念する人や、妊活中の男性にはお勧めです。
しかしそうでない方は、やはりAGA治療が一番なのです。