ザカーロ

プロペシア(フィナステリド)とザカーロ(デュタステリド)の違い

デュタステリド(ザカーロ)はフィナステリド(プロペシア)と同じく、前立腺肥大の治療薬として開発されましたが、AGA(男性型脱毛症)治療にも効果があることが後からわかりました。

上の表は2017年の日本皮膚科学会が発表した「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」です。

しっかりとデュタステリドが加わっており、その推奨度もフィナステリド、ミノキシジルに並ぶ最高値の「A」となっています。

 

しかもフィナステリド(プロペシア)よりもハゲに高い効果があるというデータが複数報告されているのです。

 

ハゲ治療はミノキシジルとフィナステリドしかない

←コチラの記事では、ミノキシジル(商品名リアップ)とフィナステリド(商品名プロペシア)が厚生労働省から認可された唯一のAGA治療薬であると言いました。

 

しかし2015年9月、このデュタステリドという成分を使った「ザカーロ」という薬も、ミノキシジル(リアップ)とフィナステリド(プロペシア)に続いて3つ目のAGA治療薬として厚生労働省に認可されたのです。

 

このデュタステリドは、フィナステリドと同様に、男性ホルモンの「テストステロン」をハゲの原因である「DHT(ジヒドロテストステロン)」に変化させる要素となる「5αリダクターゼ」を阻害する薬です。

 

簡単にいうと抜け毛を防いで守ってくれます

 

5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、フィナステリドがⅡ型のみ阻害するのに対し、デュタステリドはⅠ型とⅡ型どちらにも作用する事が分かっています。

 

その阻害効果はフィナステリドよりも1.5倍以上高いと言われているのです。

ザカーロの入手方法

デュタステリド含有薬の代表的な薬は「ザカーロ」です。

日本の厚生労働省ではグラクソ・スミスクライン社の「ザカーロ」のみが認可されています。

 

ザカーロを入手する方法は、AGA治療のクリニックに行くしかありません。

ザカーロをAGA治療の病院で処方してもらうと、1か月1万円~1万5000円かかります。

 

しかしもしザカーロ以外のデュタステリド含有薬を購入すれば、まとめ買いなどで1か月分1500円程度まで抑えることができます。

ただしザカーロ以外のデュタステリド含有薬を入手するには、海外からの個人輸入しか方法はありません。

 

海外では「デュタス」「デュタプロス」「デュプロスト」「デュタボルブ」「ベルトリド」「アボタード」などといった商品名でデュタステリド含有薬が販売されています。

 

特に「アボタード」はザカーロやアボルブを製造するグラクソ・スミスクライン社の製品ですので、製品名は違えどその成分や効果などはザカーロと同等と言えるでしょう。

ザカーロとアボルブは何が違うの?

上記以外でデュタステリドと言えばアボルブという名前の薬をの名前を聞いたことがある方もいるかと思います。

日本の病院で処方される、デュタステリドが有効成分の薬には「ザカーロ」と「アボルブ」があります。

 

「ザカーロ」は前述のとおりAGAの治療薬として認可された薬の名前。

そして「アボルブ」は前立腺肥大を改善させる薬の名前なのです。

 

AGA(男性型脱毛症)の治療で処方されるのが「ザカーロ」。

前立腺肥大の治療で処方される薬が「アボルブ」。

 

両方とも成分はデュタステリドですので効果は変わりません。

どちらもグラクソ・スミスクライン社の製品です。

 

しかし、病院に行って前立腺肥大の症状がないのに、「AGAを治療したいからアボルブをください」と言っても当然ながら保険適用で処方してくれません。

デュタステリドの使用方法

デュタステリド含有薬の1日の摂取量は0.5㎎です。

それ以上飲めば、もっと効果が上がるという訳ではなく、1日1mg摂取した時の方が脱毛が多いという報告もあります。

 

フィナステリド同様、飲み始めてすぐ効果があるわけではありません。

半年から1年近く服用し続けることで効果が現れます。

 

また、継続して飲み続ける必要がありますので、1週間に1度、もしくは1か月飲み続けて1か月休むなどといったペースで飲んでもあまり効果がありません。

 

フィナステリドと同じく、男性型脱毛症のみに効果があるため、女性の脱毛症に効果はありません。

 

また、副作用は性欲の減退や勃起障害(ED)、肝機能障害など、こちらもフィナステリドの副作用に似ています。

 

プロペシア(フィナステリド)より普及していないのはなぜ?

デュタステリドがAGA治療薬として認可されたのは日本のみであり、他の国では前立腺肥大の薬として発売されています。

しかしフィナステリドよりもAGA(男性型脱毛症)に効果があるという認知は世界中で高まっているようです。

 

なぜアメリカのFDA(アメリカ食品薬品局)で認可されていないかというと、決してFDAに認可されなかった訳ではなく、そもそもAGA治療薬としての申請をしていないからです。

ではなぜ申請をしていないのかというと、似たような成分のフィナステリドが先にAGA治療薬として認可されてしまったため、その後申請してもビジネス的にチャンスが少ないと判断されたためだと言われています。

 

そのため、AGA治療薬としての認識の広まりが遅く、フィナステリドにメジャーの座を奪われてしまったのです。

 

しかし徐々に各国でAGA治療薬としてフィナステリドよりも効果があるという認知がされつつあるため、近い将来FDAで認可申請される可能性も高いのです。

 

また他にも普及しない原因として、デュタステリドのAGA(男性型発毛症)治療に対する歴史が浅く、長期的な臨床データがなかったため「耐性」に対する懸念がありました。

「耐性」とは、その薬を摂取し続けることで、身体がその成分に慣れてきてしまい、効き目が薄れていくことです。

 

また副作用など身体への影響も未知数であり、危険だという声もありました。

 

そのため、10年の経過観察のデータがあるフィナステリドの服用の方が一般的だったのです。

 

しかしデュタステリドのAGA治療に対する経過観察の年数も増え、耐性が出来たという報告がほぼない事や、フィナステリドとは異なる重篤な副作用の報告などがないことからこの懸念は薄まっています。

 

現在ではまだフィナステリドの方が一般的ですが、すでに厚生労働省の認可から2年以上が経ち、デュタステリドの認知も広まっています。

金額がフィナステリドに比べ、デュタステリドの方が若干高いというのも、デュタステリドが広まっていない一因かもしれませんが、普及が進めば価格も安くなることでしょう。

 

 

今現在、AGA治療クリニックの半数以上は「プロペシア(フィナステリド)」を処方しています。

しかし、フィナステリドより効果が高い「ザカーロ(デュタステリド)」に切り替えていく病院が徐々に増えています。

 

AGA治療の2大柱が「ミノキシジル」と「デュタステリド」がメジャーとなる日も近いかもしれません。